広報よっかいち7月上旬号に、昨年度の「日経STOCKリーグ」において「三重県の半導体産業」をテーマとしたレポートで、最優秀賞を受賞した四日市高校の3年生(当時2年生)3名のインタビュー記事が掲載されています。
「日経STOCKリーグ」は、投資テーマを決め、投資テーマに沿ったバーチャル株式投資を想定し、ポートフォリオに整理、まとめたレポートを、経済や株式投資の理解・専門性などの観点から審査するコンテストです。対象は中学生、高校生、大学生とする中、東京大学を初め、名立たる大学の学生を含め、全国約2,100チームの参加がありました。
広報よっかいちのインタビューで3名の生徒は、「どうしてテーマに半導体産業を選んだのか。」という質問に対し、「コロナ禍で半導体不足が問題になっていたことに加え、学校近くに大手の半導体メーカーがあったからです。」と答えています。
また、「そもそも半導体についての知識はなかったのですが、ネットや本で調べるうち、身の回りの物の多くに半導体が使われていることを知りました。半導体は暮らしの豊かさを支えている、三重県が誇る半導体産業を世界に羽ばたかせるために、投資対象として最適だと考えました。」と答えています。
つまり、日常の生活や身の回りの事象から、課題を見つけ、インターネットで情報を集めたり、実際に企業や大学、自治体などを訪問したりして、研究し、レポートを作成したということです。
令和6年度広報よっかいち 7月上旬号 10ページ掲載記事
きらり四日市人 三重県立四日市高等学校 前田明日香さん、岸田奏美さん、濱沖玲英さん(PDF/306KB)
今回のこの「学び方」は、夏休みだからこそできる「自由研究」と同じではないでしょうか。
青山学院大学コミュニティ人間科学部特任教授の木村 元先生は、次のように語っています。
「自由研究で難しいのがテーマ探し。…子どもの『好き』や『調べてみたい』という探究心の種を見つけることが大切だと言います。たとえば、食事ひとつにしても、お子さんが、きゅうりが好きなら『なんできゅうりは美味しいと思う?』と聞くことで話が広がりますし、子どもが本当に好きなものを自覚するきっかけにもなります。今後社会で役に立つなど遠巻きの目で見るのではなく、小さな経験に目を向けてあげましょう。そういう自然な流れの中で、親が『これはね……』と話を広げていくのもいいですね。実は日常の中に自由研究のテーマとなるヒントはたくさんあるんですよ。」
「自由研究」って何のためにあるの? 視点で変わる驚くべき価値とは【専門家に聞く】(一部引用・編集)学研キッズネット2023.07.03
「自由研究」のテーマ探しは、子どもにとっても、保護者のみなさんにとっても、夏休みの悩み事の一つになっていることが多いようですが、このように日常の生活の中に、「自由研究」のテーマとなるヒントは、たくさんあることが語られています。
普段当たり前に見ている自分の住んでいる地域の風景や日常の光景を、当たり前と思わず、子どもと一緒に見方を変えて見ることができれば、子ども自身に「なぜ?」「どうして?」という問いが生まれ、探究心の種が芽生えてくるのではないでしょうか。
この夏休み、日常の生活や身の回りの事象から、自分だけの「なぜ?」「どうして?」を見つけ、解決に向けて情報を集めたり、実際に現場などを訪問したりして、子ども自身の興味・関心から主体的に進める「自由研究」に挑戦できるといいですね。子ども自身が学ぶことの楽しさを見つけ、大きく成長する夏休みになることを期待しています。
広報よっかいち、四日市こども広報、市議会だより#こども号などの広報誌からも、「探究心の種」が見つかるかもしれません。また、知と文化の情報拠点である図書館や博物館(そらんぽ四日市)にも自由研究のテーマとなるヒントはたくさんあります。是非、来館してください。
なお、夏休み後半から2学期始めには、小中学生の発表や作品の展示を参観できる機会があります。お時間が許せば、是非この機会に、ご参観ください。