この度、二期目の教育長の職に臨むにあたり、私の所信を申し述べさせていただきます。
令和3年8月の就任時は、コロナ禍の真っただ中であり、感染拡大防止を最優先としながらも、「子どもたちの学びを止めない」をキーワードに、本市の総合計画及び令和4年度からスタートさせた第4次学校教育ビジョンに掲げた施策の着実な実施に取り組むことで、子どもたちの学びや成長の場の保障に努めてまいりました。
しかしながら、近年の社会情勢の変化は、速く、激しく、いじめ・不登校の急増や教員不足といった子どもたちの学びや成長の場の保障にかかる根幹を揺るがすような大きな課題が生じており、教育は大きな変革の時代にあることを強く認識しております。
また、社会の変化が激しく、先行きが不透明で将来を見通しにくい時代において、教育は「すべての子どもたちが未来を幸せに生きていくために必要な力を育む」、「すべての人々が心豊かに暮らせる市民文化を醸成する」といった重要な役割を担っており、「誰もがWell-beingに過ごせる持続可能な社会づくり」を進める鍵は、教育が握っていると考えています。
本市の教育大綱及び学校教育ビジョンに掲げている目指す子どもの姿「夢と志を持ち、未来を創るよっかいちの子ども」については、変革の時代にある現在においても、目指すべき姿であると考えています。子どもたちが未来を夢見て、志を持てるようになるためには、子どもたちが楽しく、充実した日々を過ごすことができる「子どもたちの今を大切にする学校」であることが重要であり、具体的には、「誰もが安全で安心して過ごせる」、「自分のよさや可能性を伸ばせる」、「一人ひとりの学びや成長の機会が保障される」、「多様な人々と共に変化を乗り越え、社会の一員として豊かで充実した人生を送ることができる基盤を育む」そんな学校づくりを進めていかなくてはならないと考えています。
そのため、総合計画や第4次学校教育ビジョンに掲げている施策については、社会の変化への対応や教育課題の解決に向けた見直しを進め、一層の充実及び進展を図るとともに、市の関係部局や関係機関、市民のみなさまとの連携・協働を積極的に進めながら、先に述べた目指す子どもの姿の実現に向けた学校づくりを進めることで、総合計画の将来都市像の一番手に掲げられている「子育て・教育安心都市」の実現に努めてまいります。
図書館、博物館については、市民のライフステージをサポートする生涯教育施設として大きな存在意義があると考えています。市民一人ひとりがこれらの施設の利活用を通じて、自ら学び、考え、自立した市民として豊かな人生を送ることができる「知と文化の情報拠点」としてその充実を図ってまいりたいと考えています。
教育の変革が求められている時期に、教育長という重責を担わせていただくことは、大変身の引き締まる思いでございます。本市の教育行政を進めるにあたっては、長年、教育に携わってきた経験や3年間の教育長として務めた知見に基づくことに留まらず、先進的な教育行政の取り組みや民間企業・NPO等の先駆的なノウハウ、大学等の専門的な知見を学びながら、絶えずチャレンジしていく姿勢で臨み、教育委員の皆様や教育委員会事務局職員とともに、着実に教育行政に取り組んでまいる所存でございます。
保護者・市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いします。
四日市市教育長
廣瀬 琢也