四日市市教育委員会では、毎年、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」に基づき、本市学校教育ビジョンに基づく主な施策や取組の状況について、点検・評価を行っています。また、この法には、点検・評価を行うにあたって学識経験を有する者の知見の活用を図ることが示されており、三重大学教育学部織田教授、四日市大学総合政策学部高田教授のお二方を教育施策評価委員に委嘱し、専門的・客観的な立場から提言・助言をいただきながら、この取り組みを進めています。
　これらの点検・評価をもとにして、「夢と志を持ち未来を創るよっかいちの子ども」の育成に向けた本市の教育施策が、さらに有効となるよう、また、今後も本市の学校教育がより充実したものとなるよう、取り組みを進めてまいります。
「令和5年度教育委員会の点検・評価報告書」については、先の8月定例月議会にて報告をいたしました。保護者・地域のみなさんへは、四日市市教育委員会ホームページに掲載することで公表といたしますので、是非、ご覧ください。　

四日市市教育委員会HP「教育委員会の点検・評価報告について」
　➡ 令和5年度点検・評価報告書（PDF:727KB）

　この「教育委員会の点検・評価」の実施にあたっては、新たな教育課題に対応するために重要となる重点評価項目を毎年選定し、学校現場における施策の具体的な実施状況を把握し、その成果や課題について検証する取り組みも併せて進めています。
令和5年度は、「①人権教育の充実」「②体力・運動能力の向上」を重点評価項目とし、教育施策評価委員の学校視察を実施しました。それぞれの施策の概要と保護者・地域のみなさんにも知っていただきたいコメントを一部紹介します。

① 人権教育の充実
施策の概要　「メディア・リテラシー養成を通じた人権教育」
　情報化の進展に伴い、インターネット上の人権侵害等が多く見られることから、情報を正しく見分け、情報を主体的に読み解くメディア・リテラシーの養成に取り組む必要があります。学校では、いじめや差別の被害者にも加害者にもならないために人権教育カリキュラムに位置付け、計画的にこの取り組みを進めています。
教育施策評価委員のコメント
・保護者や教師などの「大人」がフェイクニュースを鵜呑みにする場合もあることから、メディア・リテラシー養成を生徒だけの問題とするのではなく、教師や保護者を含めた大人がこの能力をつける必要性を痛感している。　

② 体力・運動能力の向上
施策の概要　「運動好きのこどもを育てるための授業改善」
コロナ禍の3年間においては、学校教育活動も様々な制約を受ける中、子どもたちの体力・運動能力の低下が全国的な課題となりました。令和4年度体力・運動能力、運動習慣等調査においては、「運動やスポーツをすることが好き」との肯定的回答は増加したものの、新体力テストの結果は低下傾向にあったことから、子どもたちが運動することの楽しさを感じ、主体的に運動に取り組むことができる体育科の授業改善を進めています。
教育施策評価委員のコメント
・「体育の授業は楽しい。でも、普段はスポーツをする環境がないのでしていない。」という生徒は、調査に対して肯定的な回答がしにくいのではないか。授業での楽しさが日常につなげられればよいと思う。

　令和5年度重点評価項目とした上記2点の取り組みにおいては、学校での協働的な学びや集団的活動の中で、「人権意識の向上と行動力の育成」や「生涯にわたり運動好きの子どもを育てる」ことを目指すものですが、学校だけで完結できるものではありません。　　　　
　また、「メディアからの情報を適切に取捨選択し、正しく理解するメディア・リテラシーの養成」や「生涯にわたって健康を保持し、豊かなスポーツライフの実現」は、大人も含めた社会全体の課題であると考えています。令和5年度の重点評価項目としたこれらの教育課題の改善には、保護者・地域のみなさんと一緒に社会全体で取り組みを進めていくことも必要であると考えています。
　子どもたちは、地域の方々とのつながりの中で学ぶことや、学校以外の場での様々な体験の機会を得ることで、自分の良さや可能性に気づき、意識や行動力を伸ばしていけるものと考えています。学校・保護者・地域が連携・協働して、こどもたちの学びや成長を支えるよりよい環境を整えることを第一に考え、社会全体で取り組む「こどもまんなか社会」の実現にご理解とご協力をお願いいたします。
※四日市市学校教育白書は、四日市市学校教育ビジョンの諸施策の評価資料として位置付けていますので、併せてご覧ください。

四日市市教育委員会HP「学校教育白書」
➡ 令和5年度四日市市学校評価