9月には、小・中学校科学展・社会科展、小学校美術展、小学校音楽会を開催いたしました。どの行事にも多くの保護者や関係者にご来場いただき、その関心の高さから、三泗教育発表振興会の作品展や発表会がこの地域の文化として根付いていることを実感しています。
三泗地区の小・中学校では当たり前のように捉えている三泗教育発表振興会の行事ですが、教育関係者以外の市民や市外・県外の方々からは高い評価をいただいており、この取り組みの価値を深く感じています。
今年度は10月から文化会館の改修工事が始まるため、11月の音楽会や1月の美術展を9月に開催したことにより、各小学校では1学期から図工の授業での作品づくりや、音楽の授業での合唱や合奏に取り組むこととなりました。例年とは異なる時期での学習に、担当教科の先生方には様々な工夫をしていただいたことと思います。こどもたちもしっかり取り組み、展示された作品や発表は、例年と変わらない出来栄えとなりました。
小学校音楽会の第一部では、こどもたちの元気な挨拶や素早い切り替え、話し手を見て聴く姿勢が非常に印象的でした。また、ウォーミングアップ代わりの全員合唱も元気にあふれ、その事前の指導が行き届いていることが感じられ、こどもたちのこの音楽会への期待の大きさを実感できる素晴らしい開会行事となりました。文化会館の第一ホールのステージに立つことは、一生に何度も経験できない貴重な機会であり、参加したすべてのこどもたちにとって大切な思い出となったことでしょう。
現在、家庭の経済状況等により、こどもが学校外で得られる体験(旅行、習い事、文化活動など)に差が生じる「体験格差」が問題視されています。これらの格差が、非認知能力、学習意欲、自尊心、さらに将来の選択肢に影響を及ぼす可能性があるとの指摘もあります。
三泗教育発表振興会が主催する美術展の展示作品や音楽会の合唱や合奏は、学校の授業を通じて創り出されたものであり、すべてのこどもたちが同じ体験に触れる機会となる重要な取り組みです。この活動は、「体験格差」の是正につながる学校教育ならではの大切な活動であると考えています。
こどもたちが、学校教育活動の様々な場で「好き」や「得意」を見つけ、主体的に取り組む体験を重ねていくことができれば、一人ひとりの「好き」を育み、「得意」を伸ばすことにつながると信じています。
2学期には、小学校で運動会、修学旅行、自然教室、中学校では体育祭、文化祭など、全校・全学年を対象とした大きな学校行事が続きます。授業に限らず、学校行事においても、こどもたちの主体性を大切にする取り組みを進め、それぞれが「好き」や「得意」を見つける活動の機会を提供していきたいと思っています。