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家庭で育む、こどもの「自分らしさ」

 5月は新しい環境への緊張が少しずつ解け、また、気温や湿度も高くなり疲れが出やすい時期です。今月、私から市内の小中学校長へ伝えた「学級づくりの視点」は、ご家庭でのお子様との関わりにおいても、大切なヒントを含んでいます。それは、こどもが無理に背伸びをせず、ありのままでいられる「本来感」を育むという視点です。

  1. 家庭を「成長の土台」に(3軸モデル)
    学校では「安定性・主体性・包摂性」の3つの軸を大切にしてほしいと伝えました。これをご家庭の関わりに置き換えると、次のような「3つの安心」が見えてきます。
    ・「ほっとできる場所」であること(安定性)
    感情的に叱られたり、否定されたりする不安がなく、家が穏やかな場所であること。
    安心感があって初めて、こどもはリラックスしてエネルギーを蓄えることができます。
    ・「自分でやってみる」を応援すること(主体性)
    あれこれ指示を出すのを少し待って、「今日はどうする?」「何から始めたい?」とこどもが自分で選べる余白を作ること。
    小さなことでも「自分で決めた」という経験が、自ら動く力につながります。
    ・「かけがえのない一人」として認めること(包摂性)
    何かが「できる・できない」といった能力や他の誰かとの比較ではなく、「あなたがいてくれるだけでいい」という無条件の信頼を心の底に置いておくこと。
    大切にされているという実感は、こどもの心の最も強い根っこになります。
    この3つが循環することで、こどもは自ら学び、未来へ向かう力を蓄えていきます。
  2. 日常の「ちょっとしたやり取り」が心をつくる
    こどもとの絆を強めるのは、特別な出来事ではなく、日常の極めて些細な関わりです。
    ・徹底的な「内容の確認」
    結果だけを見て評価するのではなく、「ノートの文字、マス目からはみ出さないように丁寧に書いてるね。」「声をかけたら、ゲームを止めてこっちを向いてくれたね。」といった、日々の小さな言動を見守り、承認を積み重ねてください。
    見てくれている」という実感が、こどもの自信になります。
    ・「受容」の徹底
    お子様の話にうなずきながら、「そうなんだ」「なるほどね」と、しっかりと声を出して相づちを打ってみてください。
    自分の感情を丸ごと受け入れられた経験が、他者への共感力へとつながります。
    ・「状況の確認」
    言葉にならない表情の曇りや、いつもと違う様子に気づき、「どうしたの?」とすぐさま心を寄せてみてください。
    そのささいな変化を逃さない温かな眼差しが、こどもが孤独に陥らないための確かな支えとなります。
  3. 親も「一人の人間」として向き合う
    「完璧な親」を演じる必要はありません。時には失敗談を話し、弱さを自己開示することで、こどもも安心して本音を出せるようになります。大人が常に「正解」を押し付けるのではなく、共に葛藤し、考える姿勢を見せることが大切です。

 家庭という揺るぎない土台の上で、こどもたちは初めて自信を持って自らの翼を広げたり、安心して翼を休めたりすることができます。
 学校と家庭が同じ方向を向き、こどもたち一人ひとりが自分らしく、「夢と志を持ち、未来を創るよっかいちの子ども」へと健やかに育っていけるよう、これからもご理解とご協力をお願い申し上げます。
 


 

 

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